新しいThinkPad X1 Carbon(2nd Gen 2014モデル)実機購入レビュー

新しいThinkPad X1 Carbon

このネーミング、初めて聞いた時は少々面食らいました。

Lenovoの米国Webサイトでは単純に「ThinkPad X1 Carbon Ultrabook」と表記されています。

カーボン繊維素材をボディに採用し、スタイリッシュな外見と軽量さから好評だったウルトラブック、「ThinkPad X1 Carbon」の後継機種として2014年に発売されました。

最新機種、ThinkPad X1 Carbon 2016年モデルのレビューを掲載中です。

ThinkPad X1 Carbon、2016年モデル実機レビュー

新しいThinkPad X1 Carbonは、発売予告の時点から非常に大きな話題となりました。キーボード配列の変更、Adaptiveキーボード搭載など、レノボ側も炎上覚悟の大胆リニューアルです。

新しいThinkPad X1 Carbonの特長

旧モデルで評価の高かった、カーボン繊維素材を用いたタフなボディ構成はそのままに、

  • 省電力性能に優れた第4世代インテルCoreプロセッサー・ファミリーHaswell採用
  • さらに薄く(最薄部約17.7mm)
  • さらに軽く(約1.28kg)

このように旧ThinkPad X1 Carbonをブラッシュアップさせ、進化を遂げたのがこのモデルです。

なお、2014年1月の時点で、世界で最も軽い14型ノートパソコンとなっています。

新しいThinkPad X1 Carbonレビュー

新しいThinkPad X1 Carbonを購入し使ってみた感想やおすすめのポイント、購入時のカスタマイズについて当サイトからの提案などをお伝えいたします。

なお、当レビューはCore i5・256GBのSSD搭載機を元にお伝えします。
上位スペックの新しいThinkPad X1 Carbon(Core i7・SSD512GB)レビューも掲載中です。

とにかくカッコいいUltrabook

まずは見た目、スタイルから。

新しいThinkPad X1 Carbonは、ThinkPadノートパソコンシリーズの中で、最もカッコいいと断言します。

天板を閉じた場合も薄く、しかも軽量。最も薄い部分は17.7mm、重量は約1.28kg。

14型ノートパソコンとしては、スリムで軽く持ち運びのしやすいボディ。

(2014年1月の時点で、世界最薄・最軽量)

14型ノートパソコンを持ち歩く際、重量が軽ければ軽いほど持ち運びが楽になりますが、実はボディ全体の厚みも重要になってきます。

鞄に入れる際、厚みのあるボディは出し入れが非常にしずらく、鞄自体も不格好に膨らんでしまいます。

しかしこの新しいThinkPad X1 Carbonは、ボディ全体が薄いため、鞄への収まりも良く楽に持ち運ぶことができます。

堅牢性

定評あるThinkPadならではの堅牢性。新しいThinkPad X1 Carbonは、人工衛星に用いられる品質のカーボン繊維を採用。

全体の設計とカーボン繊維自体の強さで、非常に丈夫な造りとなっています。

アメリカ国防総省の制定した8項目のMIL規格テストを受けており、テスト内容は過酷そのもの。

  • 衝撃テスト
  • 室温-20度から60度までの室温テスト
  • 高湿度環境でのテスト
  • 高度15,000フィート(約4,500m)での動作テスト
  • 大量のホコリが舞う環境での粉塵テスト

このような環境で、問題なく動作するかのテストを受けています。

モデルは異なりますが、ThinkPad X230で「室温、気温変化と粉塵への耐久性」については実感しました。

ThinkPad X230と同時期に購入した他社ノートパソコンは、作業環境に舞い散るホコリとチリのせいか、冷却ファンから異音が発生し故障へと至ったにも関わらず、X230は動作し続けてくれたという体験をしています。

ThinkPadならではの打ちやすいキーボード

新しいThinkPad X1 Carbonは、薄いボディにも関わらず、非常に打ちやすいキーボードとなっています。

快適なキーのタッチ、タイピングした際の静かさ、文字を打ち込む際にスピードを上げても指に伝わる衝撃の少なさ。

キーの打ちやすさは数値化しにくいため、アピールが難しい点です。

しかしこのキーボードの品質は、毎日触る道具としてとても重要であり、新しいThinkPad X1 Carbonを選ぶ重要なポイントと言えます。

他社の同サイズノートパソコンと新しいThinkPad X1 Carbonどちらを買おうかと迷った際、このキーボードが持つ快適な使い心地は、新しいThinkPad X1 Carbonを選ぶ大きな理由になります。

長文作成時など、キーボードを叩く時間が長い場合には、「このノートパソコンを選んで良かった」と感じています。

静音性

インターネットで見られるThinkPadシリーズに関するレビューでも、触れられていることの少ない部分、それが静音性です。

他のThinkPadノートパソコンと同様、新しいThinkPad X1 Carbonにも採用されているのがオウルファン(フクロウファン)。

フクロウの羽ばたきのように、静かでありながら確実な冷却を行うファンを採用。

特にSSDモデルを選択した場合、負荷の少ない作業時はほぼ無音状態に。この静かさは、ThinkPadを初めて使う人にとって驚く部分でしょう。

深夜、静かな部屋で文章入力程度の作業を行っていると、新しいThinkPad X1 Carbon自体からはほとんど音が出ません。

騒音に邪魔されず、本体から熱を感じることも少ないため、快適に作業を行うことができています。

Adaptiveキーボード

前モデル、「ThinkPad X1 Carbon」から「新しいThinkPad X1 Carbon」へとリニューアルされた際、もっとも議論を呼んだ部分がこちらAdaptiveキーボード(以下、アダプティブキーボード)。

アダプティブキーボードとは、ノートパソコンのキーボード上部に配置されているF1からF12などのファンクションキー部分が、使用しているアプリケーションに応じて機能が変化するというもの。しかもタッチキーとなっています。

アダプティブキーボードを利用してみて、現在は使い方にも慣れ、購入前の予想より違和感なく使用できています。

特にインターネットを閲覧している際や、起動しているアプリケーション一覧を簡単に呼び出すことができる部分が便利。

もちろん、従来通りのFキー機能も利用することができます。

このアダプティブキーボード、日常の利用シーンにおいて不満を抱くことはほとんどありません。

残念なのは、ユーザーの設定できる項目が物足りないこと。アダプティブキーボードの設定範囲をもっと増やして欲しいところです。

充実したインターフェース

USB 3.0はもちろん、miniDisplayPortなどのインターフェースを装備。

新しいThinkPad X1 CarbonとなってHDMIポートも追加されました。HDMIポートの装備を待ち望んでいましたので、非常に嬉しい点です。

また、Lenovo OneLinkコネクタも装備。別売のOneLink Proドックを使えば、電源、USB3.0、HDMIの拡張が可能です。

WQHD高解像度液晶を選択可

以前のThinkPadノートパソコン、見やすい液晶とはお世辞にも言えませんでした。

しかし最近発売されているThinkPadの液晶ディスプレイは、過去のThinkPadを知る人が見たら驚くほどに表示品質が上がっています。

この新しいThinkPad X1 Carbonの液晶ディスプレイも見やすく発色の良いタイプになっています。

私は大きな画像をPhotoshopで加工修正する機会が多いため、WQHD(2560×1440、IPS)解像度モデルを選択。鮮明な画面で快適に作業を行えています。

ただし、他社含め高解像度液晶を選ぶと問題になるのは、アプリケーションのメニューやネット閲覧時の文字が小さくなること。

高解像度ディスプレイに対応していないアプリケーションは、メニュー部分のにじみ(メニュー部の文字がぼやける)が発生します。

新しいThinkPad X1 Carbonの場合、HD+(1600 x 900)解像度の液晶ディスプレイを選ぶことも可能です。

14型で1600×900サイズの画面、実は非常に使いやすく見やすいサイズです。

WQHD解像度液晶で発生する問題は、HD+解像度では発生しません。しかし、液晶の表示品質としては、WQHD(2560×1440、IPS)が勝ります。これは本当に悩む部分です。

WQHD(2560×1440)とHD+(1600 x 900)どちらを選べばいいの?という問いには、単純に答えることができません。

  • 高品質高解像度を求めるならWQHD(2560×1440、IPS)
  • 日常の使いやすさ優先ならHD+(1600 x 900)

このような基準で選んでみてはいかがでしょう?

また、Windows 8、8.1のスタート画面やデスクトップ画面でタッチ機能を使えるようになる、WQHD液晶(2560×1440 270nit IPS 光沢なし) マルチタッチ対応(10点)も選ぶことが可能です。

タッチ画面を使いたい方は、ぜひマルチタッチ対応液晶を選択しましょう。

新しいThinkPad X1 Carbonのおすすめカスタマイズやオプションについては次ページにて。